2006年1月23日、「ワインとチーズの店 よしだ屋」が本町通に生まれたのが丁度この日でした。10年前の冬は雪が多くて大変だったのを思い出しますが、あれから今日で丸10年、お陰さまで節目となる10歳の誕生日を迎えることが出来ました。
思い起こせば、17年勤めた酒問屋を退職し40歳を目前にしていた私は、市内の中心部で小さくてもワインを中心とした小売店を開業しようと考え始めていました。高校を卒業してずっとお酒の世界で仕事をして来た私にとって、40歳を目前に全く違う世界に飛び込む勇気が無かったのも大きな理由ですが...笑
折りしも、古くからある市内の酒屋は廃業したり、コンビニエンスストアへと業態を替えていくところが多く見受けられていた時代、更には国の酒小売に対する規制も徐々に緩和されていきそうな時代でした。
問屋時代に盛岡はワインの需要が多いことを知っていた私は、ワイン好きな方にとってスーパーやコンビニのワインでは満足できない方がきっといて、小さくても街中にあり話をしながら接客できる、そんな気軽に買い物が出来るお店が街中にあればと考えたのです。その際大事なのは、一般の方が持たれる“ワイン=高い、難しい”というイメージを和らげることだと思い、“1万円を超えるワインは置いてません”ということを一番アピールしていたことを思い出します。そのことは今でもよしだ屋の基本のままですが。
周囲の反対もありましたし、始めるからには簡単に潰すわけにはいかないとは思って始めた店ですが、よもや10周年を迎えられるなんて始めた当初は考えも及びませんでした。
少しづつ増えてきたご常連さん、そして飲食店の皆さんのお陰でココまでやって来ることが出来ましたが、よしだ屋にとって大きかったのは店頭で飲めるようになったことでした。今では多くのご常連さんが集う貴重な空間となりましたが、この“空間=サロン”も元はと言えば始めて2年くらいしてから出会ったあるお方の助言によって生まれたものでした。また、裏庭の利用価値を教えてくれたのも別のご常連さんでした。
そして12月以外毎月一度開催しているイベント、ワイン会や地酒の会などもよしだ屋にとって非常に大きなものです。そこで初めて出会えた方も多くいらっしゃいますし、貴重な場面になっています。
途中、預金残高が底を尽きそうになったり、取引先を失ったりと、どうしようかと思うこともありましたが、店を開ける元気で自分にあり、ご常連の皆さんがいらして下さったお陰でこの日を迎えることが出来ました。
改めまして、多くのご常連の皆様、飲食店の皆様、いつもご贔屓下さいましてありがとうございます。心より感謝申し上げます。そして、この10年間、ほぼ無休でやって来られた自分の体にも感謝しないといけませんね。一度も寝込むほどの病気に見舞われなかったんですから...笑
明日から11年目がスタートします。正直言って、借りたものを返し終わる見込みもまだまだ立たない状況です。これから更によしだ屋を続けていくためには皆様との変わらぬお付き合いは勿論ですが、新しいお客様との出会いも欠かせません。皆様からお知り合いや馴染みのお店などへの口コミもお願いしたいところです。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。
写真は開店して間もない2006年6月、盛岡タイムスさんに載った記事です。さすがに若いですね!笑